神西湖

出雲神話の湖 神西湖

『出雲国風土記』にも登場する美しい湖。

周囲5.3キロ、面積1.35㎢、水量約154万㎥、平均水深約1.1mで、全長1.6kmの差海川を通じて日本海の海水が出入りしています。西南にそびえる秀峰三瓶山(さんべさん)や、湖畔に群生するアシやガマが、のどかで穏やかな風景を描き出しています。ウナギ、コイ、フナ、ボラなどがよく釣れるポイントとしても知られ、休日は湖上に船を浮かべてのんびりと釣り糸を垂れる釣り客の姿も見られます。また湖の西岸には湖陵(こりょう)温泉がわき、宿泊施設での日帰り温泉も楽しみます。

年間を通じて約100種の野鳥が見られます。

出雲国風土記とは?

風土記とは、奈良時代の「地誌・地理辞典・地域解説書」のようなものであり、713年に全国に編纂命令が出されました。長い年月のうちにその多くは失われてしまい、現在かろうじてまとまった内容を伝えているのは、常陸・出雲・播磨・肥前・豊後のわずか5カ国しかありません。その中でも、『出雲国風土記』は内容的にそのほとんどが残されていて、とても貴重なものです。

須世利姫にゆかりの湖

神西湖(じんざいこ)は、須佐之男命(すさのおのみこと)の御子で、のちに大国主命(おおくにぬしのみこと)の「妃」となられた、須世理姫の命(すせりひめのみこと)の生誕の地といわれ、産湯をつかわれた史蹟〈岩坪〉がある、古代出雲文化発祥の地として、古来、伝承されて来ました。この神西の地名も、「大国主命の神在、あるいは須世理姫の命(すせりひめのみこと)の神妻から由来しています。」

特産の「神西湖しじみ」

浅い湖で太陽光線が湖底まで十分届くため、シジミの餌となるプランクトンが豊富です。また、神西湖は日本海に流れる差海川が1.5㎞と短いため、宍道湖より神西湖の方が塩分濃度が高いと言われています。そのため、シジミに泥臭さが少なくコクがあり旨味成分が多いのが特徴です。さらに、神西湖漁業協同組合の取り決めで殻幅13mm以上に達したしじみだけを「神西湖しじみ」として販売しているため、大粒なのも特徴です。

漁師が湖に入って手掻きでとる為、貝の傷みが非常に少なく、鮮度も長持ちします。1日に漁師1人当たり約20kgまでしか取れず、島根県きっての高品質のしじみと言われていますが市場にほとんど出回ることのない「幻のシジミ」といわれています。

 

神西湖湖上花火大会

神西湖では、夏に花火大会も行われています。「神西まつり」と「湖陵どんとこい祭」の2つの祭りのフィナーレとして行われ、水上花火をはじめとする約2000発もの花火は迫力満点で、夏の空を百花繚乱に飾ります。

神西湖周辺散策

散策コース

散策のできる約2.5キロの遊歩道です。ヨシをはじめとする水草や、水鳥、魚介類の宝庫と言われる神西湖の特性を生かすよう配慮してあります。釣り場も完備してあります。

生態系

海水魚と淡水魚が共に生息できる汽水湖であるため70種類以上の魚が存在し、神西湖に大きな恵をもたらしています。スズキ・セイゴ・ウナギ・手長エビ・ヒラメ・ヤマトシジミなど多種類の水揚げがありますが、総漁獲量の75%をヤマトシジミが占めています。

年間を通じて約100種の野鳥が見られます。野鳥観察舎からはバードウォチングが楽しめます。白鳥やマガモ、ホシハジロなどが飛来します。

 

那売佐神社(なめさじんじゃ)

主祭神は大国主神の別名、葦原醜男命と須佐男神の御子で后神の須世理姫神で旧郷社。出雲国風土記、延喜式神名帳にも載る式内社です。

神生丸

神西湖の四季色とりどりの風景をご覧いただきながら、地元の旬の味覚をご堪能いただけます.

史蹟・岩坪(いわつぼ)

史蹟・岩坪いわつぼ 史蹟・岩坪は、那売佐神社に近く、出雲国風土記に、『なめしいわ』と載る史蹟。滑らかな岩に流れる水で大小の欧穴(岩壷)があり、ここで須世理姫神が産湯を使われたという伝説もあります。